●魔法使い

くろみゃーが幼い頃に出逢った少女『雪華』の自称。一般的には魔法使いというと、魔法あるいは妖術といった、超常的な力を行使する存在を総称して指す場合が多い。なぜ、彼女が自らのことを『魔法使い』と称したのかは、不明である。

●アイスキャンディー

棒状の氷菓の総称。アイスキャンデーなどとも呼ばれる。製造工程の違いから、アイスクリームよりも安価で販売されている事が多く、幼い子供でも購入することが出来た。露店や紙芝居などの際にも販売されている事が多く、広く親しまれている。持ち手が2本ついており、真ん中に溝の入ったタイプのアイスキャンディーも販売されていた。一本100円以下で安価のため、夏場の兄弟姉妹、友人の間でのおやつとして定番であったが、綺麗に二等分するのは難しく、上手く割れなかった場合(あるいは上手く割れたとしても)兄妹・姉妹間での喧嘩の元になることも多かった。また、低価格のアイスキャンディーの中には、砂糖を使わず、サッカリンなどの人工甘味料を使っていた物もあった。

●ABCマート

くろみゃーが雪華と出逢った時に住んでいた地域にある個人商店のスーパー。現在は、若い少女が店主としてひとりで切り盛りしている。コンビニエンスストアの普及に伴って、じわじわと客数は減ってきてはいるが、未だ近隣の住民は変わらず利用しているため、営業を続けている。コンビニと違い、店主とコミュニケーションを取りながら購入できることから、地域の子供達の「初めてのお使い」先としてよく利用されている。初めてのお使いを命じられた子供達は、棚に並んだラップを前に、どのサイズを買えば良いのか途方に暮れているところを店主に助けられるのが通過儀礼である。向かいにある神社で夏祭りが行われる際は、福引きの景品を提供している。

●ナザール・ボンジュウ

ABCマートの先代店主が粗品として用意していたトルコのお守り。ガラス玉に目玉の模様が描かれているのが特徴。紀元前から用いられているという魔除けで、嫉みなどの邪な視線から守ってくれると言われている。今でも土産物として良く購入されているが、特徴的なデザインから日本でもアクセサリーとして都心部では専門店が出来るほどである。

●赤い宝石が埋め込まれた指輪

雪華が出逢った当初身につけていた指輪。赤みがかった金ベースの造りに、美しい赤い宝石が埋め込まれている。これを見つけたことが青年を死へと導いた。青年は自分の死に際して、最後に見つけた雪華への手がかりだと必死に手を伸ばした。その結果が、よき物であったかはまだ分からない。

●術式

魔法発動の基礎となる物。一定の規則に従い記述され、魔力を消費し世界の理を変質させることにより魔法を発動する。術式自体は『あるらしい』という前提で考えられているが、概念的な存在に過ぎず、現在主として使用されている魔法においては、術式を発動させるために、魔法の構成を可視化した魔法陣を用いて発動される。その手順から、術式の改変はすなわち魔法陣の改変と同一視されることが多い。そのため、一部の学者は魔獣などが使用する原始魔法については、魔法陣の発現が見られないため、術式が存在しないのでは無いかという主張を行っている。魔法陣の改変については、『何をどう変更するのか』といった視点での研究が常にされており、魔法陣学や魔法紋章学といった学問となっている。術式の難易度が上がるほど術式は複雑化していき、合わせて魔法陣の記述も解読が難しくなっていく。

●ミルマル

「ミア」と鳴く四足の獣。足の裏につるつるとした肉球がある。爪は鞘状に納められており、爪を立てるときには飛び出してくる。雑食であり、木の幹をかじって飢えをしのいでいたと言う事例も存在しているほどなんでも食べる。『ミア』とは、「神聖な」という意味を持つことから、古代より神に最も近い動物として神聖視されており、特に最大宗派のユーニラミア教においては、聖獣として「エクザ」として独自の位階を授けられている。そのため、ユーニラミア教会はミルマルの保護に積極的であり、長年にわたる保護活動の結果、ミルマルの個体のほとんどは聖国のユーニラミア教会に存在する。希に、ミルマルに拝謁を行った教徒が、皮膚に赤みを帯びることや、風邪に似た症状を受けることがあり、これらは神による審査を行われていると考えられている。

●マルスの実

年間を通じて落葉する事の無い、幅広の葉をつける樹木「マルス」の実である。比較的森の浅い位置で日照量の多い箇所に発生するため、採取がしやすく広く親しまれている。実は堅い殻に覆われているが可食であり、甘味が強いため子供が森に入った際に採取して食べている事が多い。また、栄養価も高いため、病人へのお見舞いとして持ち込まれることも多い。その場合は、鍋で煮込み、とろみがついた上澄みを飲ませる。マルスは耐潮性も強く、材質も硬く、巨木になりやすいため、木材としても利用されている。

●ユーニラミア教会

教徒の数が最も多い最大宗派。ユーニラミアを神として祀っている。ミルマルを聖獣として認定しているため、保護活動に積極的。また、他宗派が教会を持てない地方などにも教会を建設することで、その地方の信仰の助けとなっている。現役の「ヴェネラ」のクロエ=ヴェネラの出身宗派でもある。

●ユルキファナミア教会

加入教徒の数が、ユーニラミア教会に次いで多く、この二派閥が最大手となっている。魔導王と呼ばれたユルキファナミアを祀っている。そのため、魔法関連の研究においては他宗派よりも一歩リードしている。長年の蓄積と研鑽を重ねており、第三世代魔法の改良など、他宗派が先行する研究を改良していくことも多い。

●ノルン

粉末状にしたバイドイを練り上げて焼いた食物。一般的にソラヌムから作られるディプシズに比べると高価なため、主食としてよりも嗜好品としての認識が強い。作成方法や、原料とするバイドイの挽き方、形状によりいくつかの種類に分けられ『スィキュムス(円の形をした)ノルン』が特に好まれる。

●酔い覚ましの水薬

ラリカ特性の水薬。その効果は酷い二日酔いに襲われていても、飲めばさっぱり消え去ってしまう。あまりの効果に頼りがちなため、ラリカに作って貰えないと地獄を見る。

●治癒魔法

傷や一部の病への治療のために用いられる魔法の総称

●上級魔法

魔法の区分の一つ。原始魔法を除き、一般的に個人として発動出来る最大の物。これが発動出来る人物は限られるため、発動出来ること自体が一種のステータスとみなされる。

●ミギュルス

漆黒の体毛に覆われ、細長い頭部にたてがみを持つ非常に大型の魔獣である。体高は建物よりも大きい。しかし、なぜか目撃されるのは襲撃の直前で、目撃情報のあとに山狩りを行っても見つからない場合がほとんど。その体毛は非常に固く、投石機を使用しても傷一つつかないと言われている。

●ティギュリス

ミギュルスによく似た大型の獣。ミギュルスに比べると非常に小さいが、それでも十分に大型といえるサイズがあり、非常に獰猛。木の上を飛び回るため、死角から襲われる事が多い。

●アテネア級

危険度を表す指標の一つ。魔力を持っており、出現した場合は町を滅ぼすと言われているため、十分な注意が必要である。

●ディプシズ

モチモチしていそうな白い物体。どちらかというと嗜好品という認識の強いノルンの代わりに、一般的によく食べられている。ソラヌムを蒸かしてからつぶし、いくつかの原料を混ぜ合わせてから練り上げて焼くことで出来上がる。ノルンを作るときよりも強めに練り上げることで、独特の触感が強くなるため好まれる。ソラヌムはバイドイよりも収穫量が多く、どこでも収穫することが出来るため、燃料費を含んでも安価に取引される。温泉地帯では、蒸かすのに温泉の蒸気を用いる事もある。

●カシュス

植物性の油を取るのに使われる。大型の木の実で高所に出来るが、油分が多く植物性の油を取るのに使われる。絞りかすはリベスの町では家畜の餌として使われることも多いが、混ぜ物をしてから煮込むか焼くことで食用にすることもある。

●キャルバ

長く張り出した二本の角を持つのが特徴の動物。草食ではあるが食事量は少ないため、山岳地帯や山岳地帯を中心に多くの町で飼育されている。乳を搾る事も出来る上に、毛皮と角は利用用途も幅広く、肉は食用と出来るため大変重宝されている。

●第一世代術式

術式の分類基準の一つ。術式を用いる事で汎用的に使える事になった魔法のもっとも旧い物を指す。この世代の術式は本来必要の無い術式記述も多く、記述の形式も曖昧で体系化されていなかった。一部からは、原始魔法をこれに含むべきではないかという意見があるが、原始魔法の発動には術式魔法の発動とセットとなる魔法陣が存在しないため、現在では否定する意見がほとんどである。

●第二世代術式

術式の分類基準の一つ。第一世代術式の記述の中で、魔法の発動に必要な記述を抽出し、命令系統を整備していった事により生まれた。これにより魔法はかろうじて人が理解出来るものとなり、結果として術式の数も膨大に膨れあがった。最初期は戦闘に用いる魔法がほとんどであったが、徐々に生活に密着した魔法が開発されていった結果、現在用いられる魔法のほとんどは第二世代の術式である。

●第三世代術式

術式の分類基準の一つ。近年開発された新たな術式構造の一つ。現状では攻撃魔法しか存在せず、一般的に用いられることは無い。この世代の術式の特徴は、一つの術式に対して複数の魔法使いが魔力を供給出来るようにしたことである。これにより、個人では発動不可能な規模の術式を構築することができるようになった。それに伴い、今まで重視されていなかった魔力量が少ない者や、発動出来る魔法の規模が小さかった者も王都・聖国に集められるようになるなど、『魔法使い』に求められる意義がある意味『魔力庫』としての役割に変わり始めている。